アレキサンドライトレーザー脱毛の特徴は?効果・経過・副作用を他レーザーと徹底比較

アレキサンドライトレーザー脱毛の原理

脱毛用のアレキサンドライトレーザーは、毛の黒い部分(メラニン)をターゲットとして熱を作り出し、その熱によって毛つくるエリアを破壊します。
3種類の脱毛レーザーの中で最も浅いところに作用します。

この時、皮膚の温度が上がり過ぎないように、冷風を当てるなど工夫されています。

エステ脱毛との違い

毛をつくるエリアを破壊することができるのが、アレキサンドライトレーザーをはじめとした医療脱毛です。そのためほとんどの場合は毛が二度と生えてこない、また次に生えてくるまでの期間がとても長くなります。

エステ脱毛は、毛をつくるエリアを破壊しすることはできず、毛をつくるエリアは放っておけば自然に回復してくるため、定期的に処置を受けなければまた必ず生えてきます。次に生えてくるまでの期間が少し長くなるイメージです。

エステの脱毛はIPL脱毛(光脱毛、フラッシュ脱毛)であることが多く、これはレーザーよりも浅いところにしか効きません。またエステでは医療のIPL脱毛よりパワーが低いことが多く、効果が劣るだけではなく、後述する硬毛化のリスクもあります。

アレキサンドライトレーザー脱毛の特徴・メリット

メリット1.痛みが比較的少ない

レーザー脱毛の中では、蓄熱式ダイオードレーザーの次に痛みが少ないです。
光脱毛よりは深いですが、レーザーの中では浅い層に効くため、痛みの種類も“皮膚の表面を輪ゴムで弾かれたような痛み”とよく表現されます。

メリット2.美肌作用がある

黒いメラニンにも反応し熱を与えるため、効果はおだやかですが、シミや色むらが薄くなったり、毛穴が小さくなったり、ハリ感を感じるという効果があります。

メリット3.湿疹の改善作用がある

詳しいメカニズムは不明ですが、痒みを抑える作用もあり、アトピーなどの湿疹がよくなることがあります。

メリット4.ニキビにも効果がある場合がある

全てのニキビに効果があるわけではないですが、ニキビが改善したという人もいます。

アレキサンドライトレーザー脱毛に向いていない人&注意が必要な人

肌の色が黒い人

アレキサンドライトは黒い色(メラニン)に反応するため、日焼けしている肌や地黒の人はヤケドなど後述する副作用のリスクが高くなるので、注意が必要です。
肌色が濃い場合は、ヤグレーザーや蓄熱式ダイオードレーザーの方が安全で効果も得やすいです。

リウマチにかかったことがある人

リウマチにかかったことがあり、金属製剤という特殊な飲み薬、注射を使用したことがある人もレーザーが当てられないことが多いです。

ケロイド体質の人

ケロイド体質の人もリスクがあるため、テスト照射などで安全性を確認してから施術を行うのが、好ましいでしょう。

色のコントラストがない部分

白髪、産毛、ホクロの上の毛は脱毛はできないことが多いです。
小さいホクロであれば、避けずに照射することもありますが、薄くなってしまうことがあります。

男性の毛が濃い部分

男性のヒゲや背中には、ヤグレーザー、深いところをターゲットにする一部のダイオードの方が効果が高いと報告されています。

ホルモン値以上の病気がある人

明らかに普通の人よりも毛深いことを多毛症といい、病気が隠れていることもあります。例えば、多嚢胞性卵巣症候群という婦人科の病気やクッシング症候群では、ホルモン値に異常により多毛症となります。他にもステロイド剤の内服(塗り薬は問題ありません)によっても多毛症となります。

このようなホルモン異常や飲み薬による多毛の患者さんには、レーザー脱毛の効果が低く、硬毛化のリスクも高いと言われています。

かなりひどい肌荒れ・じんましんがある人

アトピーなどの皮膚炎や湿疹は前述の通り、よほど症状がひどくない場合以外は照射できます。しかしあまりにもひどい状況の場合は、まず湿疹を落ち着けてから行います。

照射するときに体のどこかにじんましんが出来ている人は、照射部に皮疹がなくても照射によりじんましんが出てくるリスクが高いため、落ち着いてから照射します。

注意が必要な病気や薬を飲んでいる人

その他、光に対して敏感になるリスクのある薬(一部のてんかんの薬や抗生剤など)を飲んでいる人、糖尿病のコントロールがついていない人、じんましんがでている時、ヘルペスなどの皮膚感染症がある時、皮膚癌またはその疑いがある部位、妊婦などはレーザー脱毛ができないことが多いです。

アレキサンドライトレーザー脱毛機の種類

脱毛用のアレキサンドライトレーザーの中にも、いくつかの種類があります。

アレキサンドライトレーザーのみ搭載している機械

アレキサンドライトレーザーとヤグレーザーを搭載し、切り替えて使う機械

  • ジェントルマックスプロ
  • エリートプラス
  • クラリティ
  • エクセルHR

※基本的には普通のアレキサンドライトレーザーと同じですが、硬毛化などの副作用が起きた時にヤグレーザーで対応できるというメリットがあります。

アレキサンドライトレーザーの脱毛施術方法

前日か当日に患者さん自身に、毛を剃ってきてもらうクリニックがほとんどです。
もちろん、陰部や背中など自分では剃りにくい部分もあるので、その場合は料金がかかる場合もありますが、看護師さんが行ってくれます。

照射はそれぞれの機械ごとに決められたプロトコール通りに行えば、問題なく脱毛効果が得られることが多いです。

照射後は保冷剤などで5分ほど冷やしたり、赤みを早く抑える目的でステロイドの軟膏を塗る場合があります。

アレキサンドライトレーザー照射後の経過

場所によっては、数時間〜数日赤みが出ることがありますが、赤みも残らずダウンタイムがないことが多いです。

アレキサンドライトレーザーを当てた後は、毛がポップアップして黒い点々が毛穴に埋まっているように見えることがあります。効果が出ている証拠なので、無理にいじらず心そのまま放置して起きましょう。

10日から2週間程度で毛がポロっと抜けるので、効果が実感しやすいです。

アレキサンドライトレーザー照射後に起こりうる副作用とその対応方法

起こりうる副作用1.赤み

レーザー照射後に最もよく見られる反応です。照射した直後から生じ、数時間〜数日で自然に消える事がほとんどです。

対応としては、何もしなくてもいいことが多いですが、直後であれば冷却は有効です。症状がひどい場合は、ステロイドの塗り薬を使用します。

起こりうる副作用2.蕁麻疹じんましん

レーザー照射をした直後から出てくる、痒みのある毛穴に一致した赤みのあるボツボツです。蕁麻疹じんましんとほぼ同じ症状です。特に毛が多かったり、濃い部位で起こりやすいです。

冷やすだけで、次の日には改善することが多いですが、痒みを抑える目的でステロイドの塗り薬を使用することもあります。

膨疹ぼうしんと言われているのが、蕁麻疹じんましんです。ボコボコした感じで、形は一つ一つちがいます。)

起こりうる副作用3.毛嚢炎もうのうえん

レーザー照射の1〜3日後に出てくる、ニキビのようなブツブツしたできものです。何もしなくても1週間〜10日で改善すると言われていますが、痒みが強いときは抗生剤の塗り薬とステロイドの塗り薬を使用する場合があります。

起こりうる副作用4.火傷やけど

熱を使う治療なのでヤケドのリスクは低いですが、ゼロではありません。
特に前述したような、日焼け後の肌や地黒の肌の人は特に注意が必要です。
また産毛などメラニンが少ない毛は無理をせず、蓄熱式ダイオードやヤグレーザーにした方が、安全で効果も高いことが多いです。

レーザー脱毛によるヤケドは、痛みと赤みがある状態の1度熱傷というレベルであることが多いです。この場合はステロイドの塗り薬を使用し、赤みは1週間程度で無くなります。ヤケド後に色が残ることも少ないです。

稀に、水ぶくれができてしまう2度熱傷という状態になります。この場合は病院を受診して処置を受けることをお勧めします。水ぶくれの水を抜くかどうかは病院次第ですが、皮は残しておくことが多いので、自分で切り取らないようにしましょう。
ワセリンを塗りその上からガーゼなどで保護し、湿潤環境にして治療します。
ヤケドの跡が半年以上残ってしまいます。

起こりうる副作用5.硬毛化こうもうか

脱毛レーザーを当てることにより、元よりも濃い毛が生えてきてしまう現象です。

一般的には、女性のフェイスライン、背中、首、二の腕、腰、お尻など産毛の部位で起きやすいです。

また、硬毛化が起きやすいのは20~30代で、色白で毛穴が開きぎみ、産毛が多い人に起きやすいです。

詳しいメカニズムは不明ですが、2007年にLasers in Surgery and Medicineという雑誌で“充分な熱エネルギーが入らず、中途半端な刺激と炎症が毛に起こってしまうこが原因の可能性あり”と報告されています。

IPL(光脱毛)やアレキサンドライトが他のレーザーに比べると起きやすいですが、針脱毛以外の全てのレーザーで硬毛化は生じます。

硬毛化への対応はいくつかありますが、治療がなかなかうまく行かないことが多いです。まだ確立されたプロトコールはないので、クリニック次第になります。

起こりうる副作用6.肝斑かんぱんの悪化

顔にできる肝斑という左右対称性にあるモヤモヤしたシミは、レーザー脱毛により悪化することがあります。肝斑が濃いところにはアレキサンドライトレーザーを当てられないです。

トラネキサム酸の内服やハイドロキノン外用により、落ち着いてきます。

アレキサンドライトレーザーによる脱毛の治療間隔、必要な回数

2−3ヶ月に1回施術を行います。自己処理が楽になったと感じるのは3回目以降からです。通常は5−10回は治療が必要です。
どこまで毛をなくすかは、人それぞれなので、様子をみながら回数は決めましょう。同じ人でも場所によって、毛の減り具合は違います。

アレキサンドライトレーザー脱毛のまとめと美容皮膚科医からのアドバイス

アレキサンドライトレーザーは、レーザーに比べて痛みが少なく、色白の人にはとてもよく効きます。

脱毛効果に関しては、2004年と2005年にDermatologic Surgeryで発表された論文では、アレキサンドライトとダイオードレーザーはヤグレーザーよりも、普通の毛に対しては効果が出やすいという報告されています。

一方で、2008年にArch Dermatologyという雑誌ではアレキサンドライトもヤグも効果に変わりはないという報告もあり、まだ結論はでていません。

肌が黒かったり、毛が薄い場所では効果を感じにくかったり、ヤケドのリスクが上がるため他の脱毛機を選ぶ方がいいでしょう。

毛嚢炎もうのうえん(ニキビのようなブツブツ)を起こすリスクが最も高いレーザーでもあります。硬毛化もIPL(光脱毛)ほどではないですが、他のレーザーと比べると、起こしやすいと言われています。

一方で、他の脱毛レーザーよりも、シミが薄なったり肌質の改善が得られるというメリットもあります。

アレキサンドライトレーザーの中で、どの機械がいいかと言われると、大きな差はないです。ヤグレーザーを搭載している機械があると、硬毛化が起きてしまった時の対応の選択肢が増えるので、心配な方はそちらを選んでもいいでしょう。

まずは、アレキサンドライトレーザー、ダイオードレーザー、ヤグレーザー、蓄熱式ダイオードレーザーの違いを学んで、自分にあうレーザーを選ぶのがおすすめです。

比較項目 アレキサンドライト ショット打ちダイオード ヤグ 蓄熱式ダイオード
痛み 最小
産毛への効果
毛嚢炎リスク 最小
硬毛化リスク 不明(大~中)
ヤケドのリスク(色黒OK)
シミや肌質改善

※例外として、ダイオードの中には複数の深さのレーザーを出しているものもあり、その場合は硬毛化のリスクが低くなるといわれています。自分では判断がつかなかったり、不安がある際は、クリニックに相談してみましょう。

参考文献
宮田成章:Non-Surgical美容医療超実践講座

宮地良樹:エビデンスに基づく美容皮膚科治療

山田裕道:皮膚科治療に役立つ脱毛レーザーを用いた治療 レーザー脱毛でアトピー性皮膚炎もよくなる?

Willy.A:Hiari simulation following laser and intense plused light photoepilation:review of 543 cases and ways to manage it.Laser Surg Med.39:2007

Laser hair removal: comparison of long-pulsed Nd:YAG, long-pulsed alexandrite, and long-pulsed diode lasers.

Prospective, comparative evaluation of three laser systems used individually and in combination for axillary hair removal.

Comparison of Long-Pulsed Alexandrite and Nd:YAG Lasers, Individually and in Combination, for Leg Hair Reduction

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